Adrien Roux
Adrien Roux
アドリアン・ルー
産地:ブルゴーニュ地方/シャブリ地区
「Vive La Vigne ! シャブリの新星」
この蔵は、元々アドリアンの母親の従姉妹に当たるキャロリーヌ・マリオンが1997年に創立しました。2002年の秋、アドリアンがこの蔵の収穫を手伝ったことがワインの世界に興味を持つきっかけになりました。オーセンティックな仕事をしたいと思っていた彼は、前から考えていたミュージカル製作をするかワイン造りの世界に入るか迷います。彼が23歳の時でした。
1年後、彼は、ローヌ地方のタン・エルミタージュでワイン造りの勉強に取り掛かります。そしてすぐに気付いたことは、私達がワインという飲み物について通常イメージしているものを、実際には飲んでいなかったということです。
クラスの仲間はさまざまで興味深く、多様なワインをたくさん試飲し、そして生産者を訪問しました。授業中の試飲は必ずブラインド・テイスティングだったので、仲間と飲む時も同様でした。その結果、ビオロジックワインが優れていることが度々あると感じたのです。
2年間の研修先がコルナスでビオディナミを行うマチュー・バレだったこともアドリアンに大きな影響を与えました。「ビオディナミ農法」を取り入れた葡萄栽培というのは、手間隙のかかる馬鹿げた方法なのに、彼らはあえて果敢に取り組んでおり、熱心な、そして細やかな感性を持った人達だと気付いたのです。アドリアンは、彼らの情熱と素晴らしさに感じ入りました。そして、一人一人の力は小さくても、この運動を続けていけば大きなうねりとなり、フランス社会の根底に何か影響するのではないか? はっきりとした理由はありませんが、こう確信したのです。
2006年、研修もあと半年になった頃、ワインを学んだローヌ地方でワイン造りができたらと考えていたのですが、キャロリーヌが病気にかかってしまい、アドリアンは彼女を手伝いに急遽シャブリに戻りました。そして、彼女はその年の終わりに亡くなってしまいます。こうしてローヌでワイン造りを夢見た青年は、シャブリでワインを造る事になったのです。